Highlights of our communication
お客様とのコミュニケーションを通じて
鉄板粉もの文化を日本中、世界中に広めたい
国内活動編

楽しい食卓を、お好み焼をはじめとするメニューで彩る。さまざまな活動を通じたお客様との交流により、ご提案しています。私たちは事業活動を通じて多くの方に幸せ感を提供できることに、かけがえのない喜びと誇りを感じています。
お好み焼キャラバンカー「団らん号」を通じたふれあい
1998年10月、当社は「団らん」を企業活動のテーマの一つとしました。そのころの日本では、バブル経済とその崩壊が暮らしに影を落として、「個食」や「孤食」といった言葉を耳にすることが多くなっていました。そうした状況のなか、当社は家族や仲間と食卓を囲む団らんが薄れていくことを危惧し、当社にできること、お好み焼でできることを考えました。
その一つが、お好み焼キャラバンカー「団らん号」の導入です。2000年から「お好み焼を通じて、喜びと幸せを広めたい」という思いをのせ、日本全国へお好み焼を広める活動を始めました。


2024年2月、8代目となるお好み焼キャラバンカー「団らん号」が完成。お好み焼を食べたことがない、つくる様子を見たことがない、なじみがない、なかなかお好み焼店に行けない・・・そういった方々のもとへ、お好み焼キャラバンカーに鉄板、冷蔵庫、食材、そしてお好み焼文化をのせて、関東エリアの保育園、幼稚園など訪問、また、イベントへの出展や量販店様でお好み焼をライブで楽しんでいただきます。

当初は「広島お好み焼を広める」ことが目的でしたが、回を重ねるごとに、活動を通じた「ふれあい」が何よりかけがえのないものであることに気がつきました。今ではお好み焼の種類にこだわらず、「お好み焼を広める」こと。そして、なによりも「お好み焼で笑顔になっていただくこと」をお一番の目標としています。
現在、お好み焼キャラバンカーは2台あり、1台は広島市(本社)に駐在し、西日本を中心に活動。最新の8代目は東京本部ビルに駐在し、関東以北へのお好み焼普及活動を行っています。
お好み焼の美味しさをインバウンドの思い出に
2023年の訪日外客数は約2,506万名※1に達しました。また、政府は2025年に向け「インバウンド回復」※2を掲げており、訪日外国人旅行者の人数および旅行消費額について過去最高の更新を目標としています。
多くの訪日外国人が最も楽しみにしているのは、「日本食を食べること」です。そこで、当社では日本の美味しい思い出にお好み焼を加えていただけるよう、取り組みを始めました。
訪日外国人旅行者にお好み焼を知っていただき、お店で美味しいお好み焼に出会っていただくことを柱に、日本旅行の準備段階から、帰国した後もお好み焼を楽しめるように情報を発信しています。
- ※1日本政府観光局(JNTO)PRESS RELEASE(2024年1月17日)訪日外客数(2023年12月および年間推計値)
- ※2国土交通省観光庁 観光立国推進基本計画(第4次)
コミュニケーションシート「OSAKA/HIROSHIMA OKONOMIYAKI GUIDE」

材料を混ぜてから焼く大阪のお好み焼、重ねて焼く広島のお好み焼。材料やトッピング、注文方法からヘラの使い方、自分でつくるレシピまで詳しく掲載したシートです。お好み焼店様で見ていただけるよう、ご希望の店舗に置かせていただいているほか、上記Webサイトでも閲覧し、ダウンロードすることができます。
イベント「OKONOMIYAKI FESTIVAL 2024 in OSAKA」
2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)の開催を翌年に控えた活気ある大阪で、お好み焼を紹介しました。お好み焼の試食と、ホットプレートによる調理体験の場を設け、訪日外国人旅行者にもその美味しさや楽しさを伝えました。


店頭の試食販売やアンケートでお客様の声を聴く

2023年10月10日の「お好み焼の日」の前後の週末に、全国各地の量販店様(約200店舗)の店頭で、デモンストレーション販売を実施しました。生産やスタッフ部門など、日ごろお客様と接する機会の少ない社員や、役員も含めて約250名が行いました。
また、東京・大阪・広島3都市の、それぞれのお好み焼観のアンケート調査の実施。さらに当社の支店所在地の仙台・東京・名古屋・大阪・広島・福岡でお好み焼教室を開催。
お客様からうかがったことを事業におけるヒントとして、今後のお好み焼への取り組みに活かしています。
お客様とさまざまな料理をつくることがアイデアの種に
お好み焼のみならず、焼そば、たこ焼、巻寿司やらっきょう漬の教室も開催しました。お客様と一緒につくり、食べながら交わされる意見が、さまざまなアイデアの素になっています。


社内外と連携して新規事業や商品開発に挑む「共創課」

2022年10月に発足した「共創課」※の目的の一つは、社内外の組織や法人との連携・協業を推進することです。スタートアップ、一次生産者、バイオベンチャー、アウトドア用品メーカーなどの企業様や自治体様などに協力いただいて、自社だけでは生まれない新規事業や新しい商品開発、新しい価値を創り出すことに挑戦しています。
- ※2024年9月期より、「共創室」に部署名が変わりました。
エキ酢ポ2024開催
酢は日本古来の調味料であり、当社の創業商品。販売するだけでなく、お好みソースなどソースの原材料としても使用しています。酢の醸造を専門とする大和工場は広島県三原市大和町にあり、恵まれた自然環境のなか、製法にこだわった酢づくりをしています。
2024年5月19日、20日には、お取引先様などをご招待して、「エキ酢ポ2024」を開催し、611名の来場者をお迎えしました。森を歩いて酢づくりに使用する水を飲み、静置発酵室でゆっくりと発酵が進む様子や独特の香りを感じ、異なる材料や製法で醸造した数種類の酢を飲み比べる、大和工場と酢の魅力を体感していただきました。また、現代のライフスタイルに合った酢の使い方や、新しい食べ方のご紹介も好評でした。


お多福醸造のホームページと商品パッケージをリニューアル
大和工場でつくる酢をもっと身近に感じていただけるよう、お多福醸造のホームページをリニューアル。お酢は93.3%が水でできている※ことから、コンセプトを「おみずに、まじめです。」 とし、①水 ②環境 ③製造方法をポイントとして、お多福酢についてまとめています。
また、醸造商品の一部をパッケージリニューアルし、各種調味酢の特性を生かしたメニューの画像を大きくあしらい、かける・漬ける・和えるなど使用方法を表記。ロゴタイプも「お多福」から、「otafuku」に変更して、国内4工場で製造する全商品のロゴマークを統一しました。
- ※日本食品標準成分表2020年版(八訂)穀物酢から引用
マンホールスタンプラリーでお好み焼×観光

創業100周年の記念施策の一つとして、地元広島への感謝の気持ちを形にしたいと、広島県観光連盟様、各自治体様のご協力のもと、ご当地お好み焼をデザインしたマンホールを、12市町へ13基を寄贈しました。
2024年8月から10月まで、そのマンホールを起点に広島県内を周遊していただき、観光振興に繋げることを目的としたスタンプラリーも開催。約3,300名が参加され、県内各地のスポットやそれぞれのご当地お好み焼を楽しまれました。
海外活動編

Otafukuグループは、1990年代から海外マーケットへむけた事業展開をスタート。1997年には国際事業本部を新設して、輸出事業を強化しました。1998年にはアメリカ・ロサンゼルスに現地法人を設立(現在のOtafuku Foods,Inc.)し、北米を中心に営業活動を始めました。
現在はアメリカ・中国・マレーシアに生産・営業拠点を置くほか、台湾には支店を設け、それ以外のエリア(アジア・オセアニアなど)には国際事業本部(広島市西区)から各国へ赴いて営業活動をしています。2024年6月にはフランス・パリに支店を新設しました。鉄板粉もの文化とともに世界中の食卓へ幸せ感を届けたい、その想いでイベントやメニュー提案など、それぞれの国と地域に根づいた活動をしています。
世界各国で開催された日本文化を紹介するイベントへ出展
2023年11月にニューヨークで開催された『Anime NYC 2023』、2024年7月にパリで開催された『Japan Expo Paris 2024』など、さまざまな日本文化を発信するイベントでお好み焼やお好みソースなどをご紹介しました。世界的に人気のアニメーション『NARUTO-ナルト- 疾風伝』とコラボレーションしたパッケージデザインのお好みソース(海外限定商品)とお好み焼を食べる際に使用する小さなヘラを販売して注目を集めました。
タイ・バンコクで2024年5月に開催された東南アジア最大級の国際総合食品見本市『THAIFEX2024』にもブースを出展し、ホテル、レストラン、スーパーマーケットなど、さまざまな業種の方へ向けてお好み焼と輸出用業務商品をご紹介しました。
また、上海で開催された世界中のグルメが一堂に会する巨大イベントに、お好み焼が日本食の代表として選ばれたことから、大多福食品(青島)有限公司がブースを出展しました。中国に出店する日本のお好み焼店様の増加し、本格的な味を楽しめる機会が増えていることもあり、お好み焼とともにOtafukuブランドを認知してくださっている方が少しずつ増えていることを感じました。


パリコレでファッション×鉄板粉ものという異色のコラボが実現

日本のファッションブランドdoublet様がパリ・ファッションウィークで行ったのショーの会場に、お好み焼やたこ焼の屋台を出展し、コラボレーションしました。ベジタリアン向けに豚肉を使用しないお好み焼を提供するなど、来場者やモデルなど多くの方々に楽しんでいただきました。美味しさ、珍しさもあいまってファッション関連のメディアやSNSなどで紹介してくださり、ファッション×鉄板粉ものという異色のコラボレーションで日本のカルチャーをパリから発信することができました。
鉄板粉ものを「お店で食べる」 そして、「家でもつくって食べる」料理に

鉄板粉ものが世界のさまざまな国や地域のニーズに応え、現地の食文化に根づくように営業・生産拠点を整備しています。2024年6月には、台北に続き、海外では2拠点目となる支店をパリに開設しました。ヨーロッパでは日本食の人気によりに伴ってお好み焼やたこ焼の専門店も増加しています。また、SNSなどから知る方が増え、ご家庭で楽しまれるメニューとしても認知度が上がり始めています。
アメリカ・中国・マレーシアの生産・営業拠点でも、それぞれの国の文化や嗜好に沿った商品開発をしています。たとえばアメリカではたこ焼が人気ですが、たこを食べる習慣がない方もいるためOtafuku Foods,Inc.では冷凍「海老焼」を販売しています。
また、ハラール認証調味料の需要の拡大を受けて、OTAFUKU SAUCE MALAYSIA SDN.BHDでは現地に新工場を建設しています。(2025年4月の竣工予定)
「お店で食べる」 だけでなく「家でもつくって食べる」料理へ。鉄板粉ものを少しずつ、着実に世界へ広めたいと考えています。
英国で発刊される英語辞典で、2024年3月の改定時に「okonomiyaki」と「takoyaki」が追加されたことが話題になりました。これまで、海外でのイベントなどで試食していただく際に、「これは何?」と尋ねられると、「Japanese pancake」と説明が必要でした。辞典に掲載されたことは、「okonomiyaki」が世界共通語としての地位を獲得しつつあり、鉄板粉もの文化の認知の高まりを物語っています。